《シリーズ卒論への道》第二回では、卒業論文を作成するために、文献検索に関する技術を学んだ。これを踏まえて、今回は一次史料がどのようなものかを実際に確認するために国立公文書館に足を運んだ。国立公文書館は、一般利用に供すること、公文書などの適切な保存および利用を図ることを目的とする独立行政法人であり、今回はその「閲覧室」「修復現場」「書庫」を見学した。
はじめに、閲覧室では、国立公文書館デジタルアーカイブから一次史料の検索方法と、それらの閲覧方法を学んだ。デジタルアーカイブの閲覧もできるが、公文書館の閲覧室では数多くの利用者が実際に公文書を手に取り読んでいた。一次史料を実際に見る・触れることができたことは、卒業論文に取り組むあたって貴重な体験であった。
つぎに、修復現場では、劣化、破損している紙媒体の公文書を手作業により修復していた。公文書の中には、経年による劣化に加え、虫やネズミなどによる食害、水害、煙害、酸性劣化等によって損傷を受け、閲覧室などの利用に支障をきたすものが多く存在している。専門的な技術をもつ職員が手作業でそれらを修復し、歴史的な事実を残す重要な仕事であることを実感した。
さいごに、書庫では、保管されている書物は国立公文書館だけでも100万冊もあり、実際には一部しか見ることが出来できなかったが、経年の劣化を防ぐために厳重に管理されていた。
今回の国立公文書館見学では、デジタルアーカイブ利用方法、公文書館の運営形態を知ることが出来た。デジタルアーカイブからインターネット閲覧が簡単に利用できるのでぜひ利用してみたい。また、公文書の利用促進として、展示、講演会、見学会、講座などが開催されている。卒業論文で活用する一次史料を収集する時が来たら、国立公文書を積極的に利用したいと考えている。そのためにも卒業論文の道をしっかりと歩んでいきたい(文責:平ゼミ3年・中村)。