今回の外国史ゼミの研修は、現地での体験を通じて歴史と文化への理解を深める貴重な 機会となりました。三日間にわたる研修は、大阪の国立民族学博物館、京都の寺社、そして 嵐山を訪れるという充実した日程で構成されており、それぞれが異なる視点から歴史と文 化にアプローチするものでした。
1 日目には、大阪にある国立民族学博物館を訪れました。この博物館は、世界中の民族の 生活様式や文化を紹介する展示が豊富で、人類の多様性を深く学ぶことができました。特に 印象的だったのは、各地の工芸品や日常生活の道具、衣装などを通じて、異なる文化の人々 の価値観や生活様式に触れることができた点です。また、展示の中には現代社会に至るまで の変遷を追ったものも多く、過去から現在に至るまでの連続性を感じさせられました。この 体験を通して、人類の歴史は単なる出来事の積み重ねではなく、異なる文化と価値観の交流 と融合が織りなすものであることを実感しました。
2 日目に訪れた京都の伏見稲荷神社では、実際の土地の文化に触れることがいかに重要か を学びました。伏見稲荷神社は、その千本鳥居で有名であり、訪れる者に壮大な印象を与え ます。実際に鳥居をくぐり、山を巡ることで感じたのは、紙上の資料や写真だけでは伝えき れない「場の力」というものです。その鳥居が連なる風景は、訪れる者に神聖さと謙虚さを 抱かせ、また地域の歴史や文化の深さを体感させる力を感じました。この経験を通じて、歴 史や文化を学ぶ際には、現地を訪れ、実際の場所と時間を共有することで新たな理解が生ま れることを再認識しました。
3 日目には、金閣寺を訪れました。私は 8 年ぶりの訪問でしたが、その間に自分の視点が いかに変化したかを改めて感じました。学生時代に訪れた際には、金閣寺の美しさや迫力に 圧倒され、驚きの声を上げるばかりでした。しかし、今回はその背後にある歴史的背景や建 築様式、そしてその文化的政・ 治 的意図に注目することができました。そして、単なる観光 名所としてではなく、文化遺産としての価値を再認識しました。このように、同じ場所であ っても、自分自身の視点や知識、経験が加わることで感じ取るものが異なることを実感しました。
今回の研修を通じて、外国史の学びが単なる過去の事象の理解にとどまらず、現地での直 接的な体験を通じた理解の深化と結びつくものであることを強く感じました。この三日間 の経験は、今後の私の学びに大いに役立つ貴重なものであり、新たな視点を得るきっかけと なりました。研修に参加して得られた知識や体験を、これからの研究や学習に活かしていき たいと思います。(文責 :平ゼミ3年河又)