· 

2024年度大阪・京都研修参加記①

 2024 年度平ゼミ3年生は、9 月 10 日から 12 日までの 3 日間、夏期ゼミ研修を行いまし た。今回の研修では、各自の卒業論文の執筆に向けた情報収集と文化的な知見を得ることを 目的に、国立民族博物館のある大阪や、日本の歴史的寺社仏閣の残る京都へと足を運びまし た。

 1日目は、大阪府矢吹市にある国立民族博物館に訪れました。国立民族博物館は、文化人 類学・民俗学の調査・研究を行い、収集した資料を展示することで、世界の諸民族の多種多 様な社会と文化についての理解を深めることを目的として、1974 に創設され、1977 年に開 館しました。地域・時代の異なる諸民族の生活を知ることのできる生活用具や、祭りに使用 される祭具など、生活や文化に関する数多くの展示が行われていました。特に印象に残った 展示は、災いから人々を守るとされる聖獣「バロン」のバロンダンス用の衣装です。バロン ダンスとは、インドネシアのバリ島の伝統的舞踊の一つで、ヒンドゥー教以前の文化に由来 する先祖伝来の芸術遺産です。バリ島の人々にとっては、非常に神聖で儀式的な意味をもつ 踊りでもありますが、近年は観光客に向けた娯楽としての価値も高まりつつあります。「バ ロン」の衣装の装飾は細かく荘厳であり、バリ島の人々の「バロン」に対する畏敬の念を感 じました。紹介した展示に限らず、多種多様な生活や文化についての展示を実際に目で見て 肌で感じ、考えることで、文化的な知見が広がるだけでなく、卒業論文に対しての意識も高 まりました。

 2日目、3日目は、伏見稲荷大社、清水寺、金閣寺など、京都の歴史ある寺社仏閣を巡り ました。特に伏見稲荷大社では、訪れた寺社仏閣の中で、最も時間をかけて、数多くの鳥居 をくぐり、頂上を目指しました。道中では、1本1本鳥居に刻まれた人々の名前を幾度も見 ながら、歴史をひしひしと感じました。いずれの寺社仏閣でも、予想より多くの外国人観光 客を目にすることになり、世界から見た、京都の寺社仏閣に対する興味関心の高さに驚かさ れました。そして、実際に現地に足を運ぶことによって、感じることのできる歴史や文化が あると再認識しました。

 今回の夏期ゼミ研修を通して、様々な文化は、実際に見て触れた方が得るものが多いと実 感しました。外国史においても、1日目の国立民族博物館のように実際に見て学べる場があ ると、得られる知識も広く深くなっていくだろうと感じました。この研修での経験を活かし て、これからも精力的にゼミでの活動に励んでいきたいです。(文責:平ゼミ3年阿部)