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平ゼミ卒業論文報告会2024参加記(ゼミOB編)

5年ぶりだと思いますが、平ゼミの卒論報告会にお邪魔して来ました。

先生からはコメントをするかと言われましたが、ご存知の方も多いかと思いますが、私は昔から弁舌はからっきしで、学校の先生の卵の前で講話するなど恥をかくだけなのお断りしました。ただ、せっかく行ったので、備忘も兼ねての感想です。

ひと通りに報告を聞いてきた印象としては「堅実な研究」が多かったということ。

素人見立てではありますが、どの報告者の研究テーマも先行研究の蓄積が厚い分野と見受けました。私らの頃はテーマ設定が先走って当たるべき先行研究が見当たらないというような本末転倒な例もあったように思いますが、今年の報告者は豊富な先行研究を根気強く整理されていたように思います。次期ゼミ生からも、内容面について多くの質問が出ていたのはその賜物でしょう。

他方、テーマ設定の現代性の問題はかつてほど重視されていないように思われました。そのあたりは要旨から割愛している報告者もいましたし、一人の報告者が「なぜこの研究対象を選んだかなどというつまらない質問でなく、内容面の質問をしてくれて有難い」の旨の発言をしていたのが印象的でした。

テーマ設定の現代性は報告者の色がでるところであり、また聞き手としてとっつきやすいところですが、同時に先行研究をいかに読み、研究対象たる史料や史実に対し、いかに問いかけるかに関わってくる。かつては割とそういうところで議論が盛り上がっていたように思いますので、大げさではありますが隔世の感がありましたね。
もとより世の中の多くの論文において、執筆者の問題意識を一から丁寧に論じているかといえば、そうではないと思うので、それがよいとか悪いとかいうつもりはありませんが。
実は先生との会話のなかで、漠然とした感覚から軽く失言をしまして、何が自分にそう感じさせたか改めて考えたところを書いてみました。的外れでしたらお詫び致します。

それにしても久々に難しい話を聞いたので疲れました…。(文責:平ゼミOB)